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Christmas Concert 2021

2021,12,18 発表会

今年の発表会は12月をいう事で、「クリスマス・コンサート」です!クリスマスの曲がたくさん聴けますので、一足先に気分を味わってくださいね♪

今年演奏していただくクリスマス・ソングを解説しますので、事前にお読みいただくと、一層楽しくお聴きいただけると思います♪

アメージング・グレイス(イギリス民謡/ジョン・ニュートン作詞)      讃美歌第167番。作曲者不詳。アイルランド民謡とイギリス民謡が混ざったものとみられる。イギリスの牧師であるジョン・ニュートンは若い頃、奴隷船の船長としてアフリカの黒人を捕まえて運ぶ仕事をしていました。奴隷は家畜同様に扱われ、病気や飢えで多くの命が失われていました。ある時、彼の船は嵐に遭います。沈没しかかった船の中で必死に神に祈り、九死に一生を得ました。これを機に今までの自分を懺悔したいと信仰心に芽生え、作曲者不詳のこの曲に歌詞をつけたのでした。    こうしてできた「アメージング・グレイス」は、アメリカに移住したアイルランド人により歌い継がれます。不意に拉致されて船に乗せられ、知らない土地に連れて来られたアフリカ人は、農作業のために牛や馬と一緒に売られ働かされるという、絶望的な境遇に希望を感じさせてくれる歌として歌い継がれてきました。              20世紀になると、アメリカ南部に住む黒人は北部に移動し始めます。ジャズやブルース(奴隷とされた黒人の間で、歌だけは自由にという思いから発祥したジャンル)と一緒に、「アメージング・グレイス」はアメリカ全土に広がり、その後、多様な人種や音楽の垣根を越えて、全世界で知られるようになりました。この素晴らしい歌が必要とされたのは、言い換えれば社会の一部には悪夢のような側面があったからです。今でも歌い継がれているということは、これは決して昔を懐かしむ歌ではないのです。

荒野の果てに(フランス民謡,エドワード・シッペン・バーンズ編曲/ジェイムズ・チャドウィック 英語翻訳,由木 康 日本語詞)                           讃美歌第106番。作曲者不詳。元々は、フランスの伝統的なクリスマス・キャロル(クリスマスに歌われる歌)。「Gloria, in excelsis Deo!」の個所が繰り返し歌われ、特に「グロ~~~リア」の部分は、ジェイムズ・チャドウィックの編曲で親しまれています。「いと高き処、神に栄光あれ!」という意味ですが、日本語での歌詞は訳されることなく、敢えて英語のままで歌われています。

あわてんぼうのサンタクロース(小林亜星作曲/吉岡治作詞)        1971年(昭和46年)に発表された、子供向けのクリスマス・ソング。      物語風の歌詞が楽しく、名曲として歌い継がれています。

We wish you a Merry Christmas(イギリス民謡)             16世紀のイングランド西部地方を起源とする英語のキャロル(クリスマスソング)。楽しいクリスマスをあなたに、そして幸せな新年を家族と共に!と言う内容の歌で、多くのクリスマスキャロルの最後に締めくくりとして歌われる歌です。

ウインター・ワンダーランド(フェリックス・バーナード 作曲/リチャード・B・スミス 作詞)                               1934年にリリースされたアメリカのポップス。歌詞の舞台は、 作詞者リチャード・スミスの地元ペンシルバニア州ホーンズデール中央公園が真っ白な雪で一面覆われ、その光景を詩に書き上げたとされています。アメリカで最初の蒸気機関車Stourbridge Lionが走った場所としても知られています。

きよしこの夜(フランツ・クサーヴァー・グルーバー作曲/ヨゼフ・モール作詞)       クリスマス・イヴの前日、突然教会のオルガンが鳴らなくなりました。(理由は、ネズミにかじられた等諸説あります)クリスマスに歌う讃美歌の伴奏がなくなり、ヨゼフは困り果てます。歌詞は用意していたので、急遽グルーバーにギターで伴奏を頼みます。グルーバーは、ギターでの伴奏は誰も聞かないのではと思いましたが、ヨゼフの説得により、一晩中懸命に考え続けて曲をつけたのでした。曲が完成したのは、ミサが始まるほんの数時間前のことでした。                   現在歌われているメロディーはグルーバーの自筆譜とは少し違いますが、ウィーン少年合唱団のレコードには原譜通りのものがあります。              最近では、猫の鳴き声を編集して「ネコのきよしこの夜」という歌があります。いろんなネコちゃんが歌っているような、面白い曲になっています。

ジングルベル(ジェームズ・ロード・ピアポント作詞作曲)         1857年に、牧師のピアポントが作詞作曲しました。元々は、ボストンにある自分の教会での感謝祭で歌うために作られましたが、後にジョン・P・オードウェイに献呈され、大好評であったためクリスマスでも歌われるようになりました。「One Horse Open Sleigh(1頭立てのソリ)」というタイトルから、アメリカ全土に広がるにつれ、ジングルベルに変わりました。「Jingle」→〇〇をリンリンと鳴らす、つまり、ベルをリンリン鳴らせ!という意味で、馬の尻尾につけた鈴が鳴る様子を表しています。馬を走らせてソリで遊ぶのは何て楽しいんだ!という内容です。       しかし・・・実のところ、英語の歌詞は日本語訳とはかなり違います。1~4番まで物語になっていて、1番は、雪の中1頭の馬がソリを引くシーンからスタートします。ソリには主人公を子供が乗っていて、馬の尻尾には鈴が鳴り、ソリは楽しいな~・・・ここまでは日本語訳も大差ありません。                そして2番、ソリにちょっと大柄の女の子が乗ってきます。馬は瘦せていて、ソリがひっくり返ってしまい、女の子は雪の中へ!                                  3番、転んだソリの横を紳士が笑いながら通り過ぎます。恥ずかしかった主人公は慌ててソリに乗って逃げてしまいます。女の子は置いてけぼり・・・?       4番、大地は真っ白!行こう!女の子を連れて!・・・女の子はちゃんとソリに乗せてもらっています。そしてこのソリは、みんなで競争して賭けをしていたのです。最後は1番になるぞ!という歌詞で締められています。日本語ではクリスマスやサンタさんが歌詞に出てきますが、馬のソリでひっくり返ったお話なんですね。

クリスマスソング(清水依与吏作曲)                    2015年にリリースされたクリスマスソング。フジテレビ系月9ドラマ「5時→9時~私に恋したお坊さん~」で主題歌として起用され、若者を中心にヒットしました。歌詞の内容から、「クリスマスを誰かと一緒に過ごすのが当たり前」という固定概念を覆した、切ないラブ・ソングです。

クリスマス・ソング(メル・トーメ、ロバート・ウェルズ作曲)        ある真夏の暑い日(当時はエアコンなんてありません)、ロバート・ウェルズのピアノの譜面台に立ててあったメモ書きを、仕事で来ていたメル・トーメが見つけました。メモには4行の詩のような言葉が書いてありました。「クリを焼く…」「霜の精が凍えさせる…」「ユールのキャロル…」「みんなエスキモーのように着込んでいる…」など、ロバート・ウェルズは詩を書いたつもりではなかったのですが、あまりの暑さにメル・トーメは、「冬のことを考えて没頭していれば、少しは涼めるのではないか」と、考え、たった40分程で曲を書き上げました。そして後に、ナット・キング・コール(アメリカのジャズ・ピアニスト)が歌うことで大ヒットしました。1番の歌詞の意訳は、栗が直火でローストされていてジャックフロストがあなたの鼻の上に乗っかっていて聖歌隊によってクリスマスの季節(ユール:古期英語)のキャロルが歌われそして、人びとはエスキモーのようにドレスアップ ・・・となっています。

サンタが街にやってくる(フレッド・クーツ作曲/ヘヴン・ギレスピー作詞、神戸孝夫訳)                                 1934年にアメリカのラジオ番組で初めて放送され、大ヒットしました。日本でも様々な歌手がカバーし、クリスマスソングの代表的な歌となっています。

戦場のメリークリスマス(坂本龍一作曲)                  映画「戦場のメリークリスマス」のサウンドトラックで、1983年5月1日にリリースされました。シンプルで覚えやすいメロディーのため、ピアノアレンジを中心に現在も人気の曲です。坂本龍一氏自身、作曲しながらポロポロと涙を流したそうで、主旋律の音色は「鐘の音」をイメージしながら、厳かに弾いてください。

Happy Xmas~War Is Over~(ジョン・レノン、オノ・ヨーコ作詞作曲)1969年、ベトナム戦争の真っただ中に結婚したジョン・レノンとオノ・ヨーコは、世界の11都市に向かって“War Is Over if you want it”(あなたが望めば戦争は終わる)と、異例の広告メッセージを発信し、その3年後にこの曲を発表しました。「戦争は終わった」という歌詞が歌われていますが、この曲が発表された当時ベトナム戦争はまだ続いていました。戦争終結はこの数年後のことです。 弱き人も強き人も、富める人も貧しき人も、黒人も白人もアジア人もヒスパニック系も・・・すべての人が戦争を止めてクリスマスと新年を迎えようと言うメッセージが伝わってきます。楽器ではなく、コーラスで盛り上げていく部分は、ジョンとヨーコの強い想いが感じられます。1998年にも、ヨーコは同じメッセージを世界中に向けて発信し、平和を呼び掛けています。

ひいらぎ飾ろう(イギリス民謡)                      クリスマスに歌われる讃美歌。原曲はウェールズ(イギリスののカントリー)の新年の世俗的なキャロル(クリスマスに歌われる歌)。クリスマスの飾りに使われる西洋ひいらぎを、ケルト人は「死と再生のシンボル」として崇拝していました。各行の後半にある「ファラララ・・」は、ヨーロッパ諸国の歌によくみられるはやし言葉です。

星に願いを(リー・ハーライン作曲/ネッド・ワシントン作詞)       1940年に公開されたディズニー映画の「ピノキオ」の主題歌。北欧諸国では「ベツレヘムの星」と重ね合わせ、クリスマス・ソングとして歌われています。キリストがベツレヘムで誕生した直後、東の国で誰も見たことがない星が西の空に現れました。東方の三人の博士は、ユダヤ人の王が生まれたことを知り、その星に向かって旅を始め、星の下に産まれたキリストを見つけました。この星は「ベツレヘムの星」は「クリスマスの星」とも呼ばれています。ディズニー・クルーズ・ラインの周遊船には、「星に願いを」の最初の7音を鳴らすエアホーンを装備しています。

牧人ひつじを(イイギリス民謡)                      この曲の旋律は、イングランド西部地方に17世紀以前から伝わっている旋律である。ウィリアム・サンディーズが1833年に発表されて以来、軽快な曲と共に世界に広まった。アメリカでもよく歌われるようになりました。

もみの木(ドイツ民謡)                          ドイツを発祥として世界各国で歌われているクリスマス・キャロル(クリスマスに歌われる歌)。ドイツ北部に伝わる民謡に歌詞がつけられ、アメリカ合衆国のコーネル大学の校歌、メリーランド州及びアイオワ州の州歌としても使用されています。

もろびとこぞりて(ローウェル・メイソン作曲/アイザック・ワッツ作詞)   英語圏ではJoy to the World!の詞で歌われ、世界的に有名な曲です。元々はヘンデル(Handel)のオラトリオ『メサイア(Messiah)』からのメロディに基づいて、アメリカ教会音楽の第一人者ローウェル・メーソンにより作曲されたクリスマスキャロルです。今では、諸外国と同一の内容の日本語をつけて歌われるようになりました。もろびととは皆でと言う意味で、主な内容は「皆でお迎えいたしましょう。ずっと待っていた主(救い主)がおいでになりました」となります。

喜びの歌(ベートーベン作曲)                       第九の名称として親しまれた名曲です。単独の歌ではなく、ベートーベンの交響曲第九番の4楽章で歌われ、演奏される第一主題を指します。            フランス革命の直後、ドイツの詩人シラーが学生に向けて書いた「自由賛歌」の詩を、マルセイユの歌(フランスの国歌)のメロディーに乗せてドイツの学生が歌っていたものが後に「歓喜に寄せて」と書き直されます。ベートーベンはシラーの詩集を生涯にわたって愛読していて、「歓喜に寄せて」の詩に出会い感動し、これを引用して交響曲第九番を完成させたのです。当時、交響曲に歌が入るのはタブーでした。しかしベートーベンには「言葉でしか表現できない思想がある」という強い思いがありました。「歓喜」はドイツ語で“Freude”(喜び)ですが、シラーはもともと“Freiheit”(自由)という単語を政府の圧力により書き直したものです。“喜び”を“自由”に変えて解釈すると、王様も庶民もみな同じ立場の人間である、という思想が見えてきます。つまりベートーベンは歓喜ではなく、自由を表現したかったのですね。歓喜の歌は、「誰もが平等である」という事を伝える歌です。当時このような思想は危険視されていましたが、ベートーベンは作曲により伝えようとしました。しかしこの歌詞のせいで、第九は初演後22年にわたり再演されませんでした。そして時代は変わり、ベルリンの壁崩壊後のクリスマスに、バーンスタイン指揮(世界的な巨匠です!)により、6か国の奏者で構成されたオーケストラで第九が演奏されました。バーンスタインは歌詞を“自由”に置き換え、今ではEUの国歌になっています。 「ベートーヴェンの曲は全般的に厳格で、悪いことをしようという気にならない、襟を正して来年に向けて真面目に生きなくては、と考えさせられる。来年に向けてもっと頑張っていこうと、希望をもって気持ちを奮い立たせてくれるのです。それが年末に聴くのにふさわしいと思わせ、広がっていったのでしょう。」(作曲家 三枝茂彰氏インタビューより)

ラスト・クリスマス(ジョージ・マイケル作詞作曲)             タイトルは「去年のクリスマス」という意味で、クリスマスの失恋をテーマとしています。クリスマスソングの定番曲として、現在に至るまで数多くの歌手にカバーされています。「Last」は「最後の」と言う意味もあり「最後のクリスマス」とも考えられますが、作曲者であるジョージ・マイケル氏は2016年12月25日のクリスマスの日に亡くなってしまったので、彼の真意はわからないままになり、「本当にラスト・クリスマスになってしまった」と感じる方も多くいます。悲しい内容の歌なのに長調(明るく楽しい曲調)である事が、53歳で亡くなった彼と重なって、あまりにも切なく感じられます。

わらの中の七面鳥(アメリカ民謡)                     日本でよく知られるフォークダンスの定番曲「オクラホマミキサー」の一部分がアレンジされた曲です。ミキサーとは、社交ダンスやフォークダンスにおいて複数の男女ペアがパートナーを順に換えながら踊るダンスのジャンルの事で、1946年に長崎軍政府教育官であったウィンフィールドが長崎の県幹部と会食中に、日本側が披露した踊りの返礼として自ら踊ってみせ、出席者に教えたことで全国に広がって行きました。アメリカでは、歌詞が付く前からバイオリン曲として有名でした。